皮膚硬化とは文字どおり皮膚が硬くなった状態をいいます。

皮膚や皮下組織に膠原線維と呼ばれる物質が増加することで生じることが多いです。中には何らかの物質が皮膚や皮下組織に沈着して硬くなることもあります。

全身的な疾患や薬剤、医療行為、化学物質などによって皮膚硬化が生じることもまれにあります。

皮膚硬化が広範囲に広がっている場合は、全身性強皮症が疑われます。皮膚や内臓が硬くなったり、冷たいものに触れると手指が蒼白〜紫色になるレイノー現象などの症状が現れる全身性疾患です。

皮膚硬化が皮膚の一部のみで、正常な皮膚との境界が明瞭な場合は限局性強皮症が疑われます。内臓病変はありません。

治療は原因によって異なるため、まずは原因をはっきりさせる必要があります。

全身性強皮症では、血液中の自己抗体を測定したり、画像検査で内臓に線維化がみられるかを調べます。皮膚硬化を放置すると関節の動きが制限される可能性がある場合は、ステロイド薬や免疫抑制薬を内服します。また、抗体製剤の注射を行うこともあります。

限局性強皮症や硬化性(萎縮性)苔癬では、全身的な検査は必要ありません。強めのステロイド薬を外用します。

好酸球性筋膜炎は、末梢血の好酸球数やMRI、組織の一部を採取して顕微鏡などで調べる生検で診断されます。通常、ステロイドを内服します。

普段の生活で気をつけてほしいこと
  • 処方された薬は指示どおりに使用してください。
  • 全身性強皮症では、寒冷刺激、食べ過ぎに気をつけましょう。血圧が普段よりも30mmHg近く急上昇する場合は、すぐに連絡してください。
  • ステロイドや免疫抑制剤を内服していたり、肺に病変のある場合は、かぜなどの感染症に注意してください。