体毛は一般に細く、軟らかく、色も薄い軟毛です。それが太さや色素が増して硬毛化することを多毛症といいます。

多毛症は、男性ホルモンの影響でひげや胸毛など男性にみられるような太い毛が女性や小児に現れる男性毛多毛症と、ホルモンに関係なく全身の毛が硬毛化する無性毛多毛症の2つの種類があります。そのほか、薬剤の影響で多毛が起こるケースがみられます。

男性毛多毛症では、多嚢胞性卵巣症候群が原因である場合が70%以上、原因不明の突発性が23%、アンドロゲン産生腫瘍0.2%、その他それより低頻度でクッシング症候群、末端肥大症、高プロラクチン血症、薬剤性などの場合があるという海外の報告があります。

多毛の程度が中等度以上の場合、急激に多毛が出現した場合、月経異常や避妊、肥満といった多嚢胞性卵巣症候群が疑われる場合は、血中の男性ホルモン量を測定します。内科的症状がある場合は、内分泌検査を行います。

原因となる疾患がある場合は、その治療を行います。特に原因となる疾患がない場合は、レーザー脱毛治療や特殊な光を発するレーザー機を用いたIPL脱毛治療、除毛効果のあるクリームを使用した治療を行います。薬剤性の場合は、その薬剤を中止して経過を観察します。

普段の生活で気をつけてほしいこと
  • 内分泌や婦人科領域の詳しい検査のため、入院が必要になることもあります。