異汗性(いかんせい)湿疹は、その症状から汗疱状(かんぼうじょう)湿疹または汗疱とも呼ばれます。

湿疹は主に手のひら(親指や小指、指の側縁)と足の裏(土ふまず)にできます。多くの場合、激しいかゆみや痛がゆさを伴います。

皮膚の一部が赤くなる紅斑、小さな水ぶくれ(小水疱)、水疱、びらん、亀裂などの症状がみられます。汗を多くかく季節に症状が現れる傾向があります。

食品や歯科金属などに含まれる微量金属が原因で湿疹が引き起こされる病気を全身型金属アレルギーといいます。その一症状として異汗性湿疹が現れることがあります。

【全身型金属アレルギーについて】

診断では、背中に金属を含んだ試薬を貼って判定するパッチテストや、確定診断のための金属内服テストが行われます。内服テストの代わりに、チョコレートやココアなど金属を高濃度に含む食事を食べたり制限したりして、症状の変化を診ることもあります。

金属アレルゲンを含むものになるべく触らないようにしましょう。また、金属アレルゲンの種類に応じた食事療法が必要です。

皮膚や粘膜に難治性の病気があり、口腔内に歯科金属が入っている場合、その歯科金属を取り除くと症状が改善することがあります。

普段の生活で気をつけてほしいこと
  • どんな時に症状が悪化するかを観察し、医師に伝えましょう。
  • 歯をよく磨きましょう。
  • 汗をかく季節に、金属製品を素肌に長時間つけることは禁物です。
  • 金属が多く含まれるチョコレート、豆類、香辛料、貝類、レバー、胚芽、玄米の摂取はなるべく控えましょう。
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