貨幣状湿疹は、貨幣(コイン)のような丸い形をした湿疹です。かゆみが強く眠れない場合もあります。普通の湿疹よりも治りにくく、同じ場所に再発を繰り返すことがあります。

貨幣状湿疹は、一般に、空気が乾燥する冬に悪化します。

皮膚の状態や生活習慣などにより皮膚の水分や油分が少なかったり(皮脂減少性皮膚炎)、むくんでいたり、血の巡りが悪かったり(血の流れの異常)すると発症しやすいといわれています。また細菌感染が増悪の原因となることもあります。

悪化すると全身に広がることがあり、自家感作性皮膚炎と呼ばれる病気に進行し、とても治りにくくなってしまいます。

治療には主にステロイド外用薬を使用します。かゆみが強い場合には抗ヒスタミン薬を内服し、細菌感染があるときは抗生物質の内服などが必要になることもあります。

かゆみ止めを内服して眠気が生じる場合は医師に相談して眠気が少ないタイプの薬にかえてもらいましょう。

症状が出たらなるべく早く受診しましょう。治療期間は1~2カ月です。最初は週に1回、症状が治まってきたら2週に1回程度受診します。再発することが多いので、自分の判断で治療を中止することがないようにしましょう。

皮膚の乾燥が原因の場合は、入浴後すぐに(できれば5分以内)保湿剤(クリームやローション)を塗り、スキンケアを心がけましょう。

普段の生活で気をつけてほしいこと
  • かゆみが強いときには、アルコールや刺激物、甘いものの過剰な摂取は避けましょう。
  • 入浴の際、ナイロンタオルなどの使用は控えましょう。石鹸も油分をとりすぎないような、肌にやさしいものを使いましょう。