痒疹とは、虫に刺されたようなかゆいぶつぶつ(痒疹丘疹)ができる慢性炎症性皮膚疾患です。急性痒疹、亜急性痒疹、慢性痒疹の3つに分類されます。

急性痒疹は、小児ストロフルス、小児蕁麻疹様苔癬(しょうにじんましんようたいせん)とも呼ばれ、四肢に強いかゆみを伴います。

慢性痒疹は、ぶつぶつが持続する期間が長く、数週間から数カ月にも及びます。慢性の場合、背景にアレルギー、生理学的機能異常、胃腸障害、肝機能・腎機能障害、性ホルモン失調、病巣感染、内臓悪性腫瘍、心身症などの関与が考えられます。

急性痒疹は、虫に対する過敏反応が主な原因とみられます。

治療期間の目安は数カ月です。2週間に1度くらいの受診をすすめます。数カ月でよくならないときは内臓悪性腫瘍、感染巣などが考えられ、全身の検査が必要になります。

治りにくい場合は入院して原因や増悪因子を探します。

普段の生活で気をつけてほしいこと
  • 皮膚の汚れや汗は速やかに落としましょう。洗うときは皮膚に刺激のない石鹸でやさしく洗い流します。
  • 入浴後は保湿・保護を目的とする外用薬を使用します。
  • 爪を短く切り、掻かないようにしましょう。手袋や包帯が有用な場合もあります。
  • 新しい下着は使用する前に水洗いしましょう。
  • 洗剤は界面活性剤の含有量の少ないものを使用しましょう。
  • 室内の清潔や適温・適湿を保ちましょう。
  • 浴槽の湯は高温を避け、沐浴剤や入浴剤も控えましょう。
  • 香辛料などの刺激物は控えましょう。