多形滲出性紅斑は多形紅斑ともいい、親指くらいの円形の紅斑点が多発する皮膚の炎症です。炎症が強いと水疱(水ぶくれ)をつくります。重症になると発熱や口唇炎がみられます。
原因としては、寒冷の影響によるものやウイルスの感染による感染アレルギー、薬剤・サプリメントなどに対するアレルギー反応によるものなどがあります。内臓の病気に合併することもあります。
皮膚症状の原因を調べるために、血液検査などが行われます。
治療には、ステロイド外用薬が用いられます。かゆみの強いときには抗アレルギー薬を内服します。
症状が進行すると外用薬では症状を抑えられなくなります。その場合は、ステロイドの内服薬が用いられます。
内服で十分な効果を得られない場合は、すみやかにステロイド薬の点滴投与に切り替えられます。
通常、2週間以内に症状は治まります。色素沈着が残ることがありますが、いずれ消えます。
感染症が原因のときは、繰り返すことがあります。
38度以上の熱を伴うとき、多数の水疱や唇のびらん、結膜の充血がみられるときは、重症になる危険があるため、入院によるステロイド薬の点滴注射が必要になります。
水疱が破れたあとびらんとなり、細菌感染を起こしやすくなります。水疱やびらんが多いときには入院による清潔な処置 が必要になります。