環状紅斑とは、「輪」の形をした皮膚の症状をさします。原因には感染症、膠原病、悪性腫瘍、薬物などさまざまなものがあります。一方ではっきりわからない場合も少なくありません。
環状紅斑のうち、いちばん多いのは遠心性環状紅斑と呼ばれるもので、大豆大から始まり輪の形が大きく広がります。多くは数週間から数カ月で自然に消えます。しかし、自然に消えても原因となる病気を発見するために受診しましょう。
悪性腫瘍と関係する紅斑には、樹木の年輪様、または縞模様などの形があり、激しいかゆみが特徴です。この場合は早急に検査・診断・治療が必要です。
内臓の病気が見つかった場合は、その治療を優先します。
検査は、顕微鏡でカビがいるかどうかを確認し、さらに血液検査のほか組織検査をします。次に様々な病気で「環状」の皮疹が見られるため、皮膚の組織検査は正しい診断をするために重要な検査方法です。具体的には麻酔して赤い部分の皮膚を5~8㎜ほど採ります。
紅斑の形や性質(盛り上がり、かゆみなど)、さらに検査結果によっては超音波検査やCT検査などを追加します。
紅斑の治療には、多くの場合、入院の必要はなく、原因となる病気によって塗り薬、飲み薬などを処方します。
通院は、一般に最初の1カ月は1~2週間に1回、その後検査結果と症状によって1カ月に1回程度、病気によってはもう少し長引くことがあります。
治療しても症状を繰り返すようなときは、しばらく定期的に経過を観察します。