アナフィラクトイド紫斑は、シェーンライン・ヘノッホ紫斑ともいいます。紫斑が下肢や臀部に現れ、さらに腎臓や消化管に出血して、激しい腹痛を伴ったり、関節内やその周辺に出血して痛みを伴ったりします。

小児に多くみられますが、成人にもみられます。成人は心機能が低下する腎症の頻度が高く、小児より重症になる傾向があります。

通常は4~6週間で治癒し、一般に予後はよく、80%以上に再発がみられません。

しかし、20%以下の患者さんでは、1回~5回以上の紫斑や腹痛、関節痛などの再発がみられます。再発しても腎炎の合併がない限りは、最終的には治癒します。

治療法は臓器障害、特に腎障害と消化管障害の重症度によって異なります。

皮膚症状が主で、軽度の腹部症状はあるが、血尿や蛋白尿などの腎障害が認められない場合は軽症で、自宅安静と外来通院で治療します。場合によっては、体内の必要な部分にだけ薬を送るDDSの投与が行われます。外来通院は月1回、最低でも6カ月の経過観察が必要です。

強い関節痛による歩行困難、強い腹痛、水分の摂取困難、大量消化管出血、腎機能障害を伴う場合は入院して治療します。

腎機能が重症化すると、長期入院が必要になり、大量ステロイド療法と強い免疫抑制剤の投与を行います。