薬疹とは、薬を摂取したことによって生じる湿疹のことです。重症薬疹は、その中でも重症のものをいい、高熱(38℃以上)を伴って全身に赤い斑点が生じ、さらに全身のリンパ節がはれたり、肝機能障害など、血液検査値の異常がみられます。また、口唇、眼、鼻、外陰部などの粘膜にただれが生じ、全身倦怠感などの全身症状も出ます。
原因となる薬品の投与後すぐには発症せず、2週間以上たってから発症することが多いのが特徴です。また原因薬品を中止した後も何週間も続き、軽快するまでに1カ月以上かかることもあります。
原因となる薬剤は、カルバマゼピン、フェニトイン、フェノバルビタール、ゾニサミド(抗てんかん薬)、アロプリノール(痛風治療薬)、サラゾスルファピリジン(サルファ剤)、ジアフェニルスルホン(抗ハンセン病薬・皮膚疾患治療薬)、メキシレチン(不整脈治療薬)、ミノサイクリン(抗生物質)などです。
重症薬疹には、Stevens-Johnson症候群(SJS)、中毒性表皮壊死症(TEN)、薬剤性過敏症症候群(DIHS)があります。いずれも入院のうえ、副腎皮質ステロイド薬を中心に治療が行われます。
SJSとTEN:治療を開始しても病気の勢いをコントロールできない場合は、血漿交換療法を併用することがあります。
DIHS:治療による症状の改善はゆっくりです。再燃することも多くあります。
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