固定薬疹とは、薬疹を発症させる薬(原因薬剤)を内服するたびに、皮膚の同じ部位に薬疹を生じる病気です。

原因薬剤の使用をとめなければ、発疹は大きくなり、数も増えていきます。治っても色素沈着を残します。また、薬疹を繰り返すたびに色素沈着は濃くなっていきます。

原因薬剤を早く見つけて使用をとめれば、特に治療の必要はありません。通常、湿疹は身体の一部にしかできませんが、原因薬剤を中止せずに使っていると、患部が拡大して、重症の薬疹に近い症状になることがあります。

薬疹を起こす原因は、薬の主な成分であることもありますが、補助成分が引き起こす場合もあります。

通常は皮疹が身体の一部にしか出ないので、原因薬剤を決定するために、もう一度薬を内服して、症状が出るかどうかの誘発テストが行われます。

1回内服しただけでは発疹が誘発されなかった場合には、3日ほど続けて内服します。

誘発テストを受けるのに抵抗がある場合には、その部位に原因薬剤を塗って、部位に反応が出るかどうかをみる「パッチテスト」を受けるのもよいでしょう。

普段の生活で気をつけてほしいこと
  • お薬手帳などに薬疹情報を記入しておき、医療機関や薬局を訪れるときには、必ず見せるようにしてください。
  • 原因薬剤以外でも色素沈着が誘発されることがあるので、その部位が赤くなったり、痒くなったら再受診してください。
  • 漢方薬、サプリメントでも薬疹を起こすことがあるので、思い当たる原因がなくても紅斑が出たら受診してください。
  • 最初に服用した原因薬剤以外の薬剤で固定薬疹が誘発されたときは、その薬の名前を必ず書き留めておいてください。