乾癬は、皮膚が赤くなって盛り上がり、表面に銀白色のフケのようなものができ、ぼろぼろと剥がれ落ちる慢性炎症性皮膚疾患です。

原因はまだ解明されていませんが、遺伝的要因を基盤に、何らかの環境要因が加わると発症するとされます。

日本では、患者数は5~10万人以上、さらには56万人とされ、好発年齢は30~50歳代、男女比は2対1です。

皮膚の病変はどこにでも出現しますが、とくに外的刺激を受けやすいひじやひざ、日光の被爆が少ない頭部、腰部、外陰部、および爪に発症します。

症状は多くの場合、皮膚症状だけです。その半数に痒みを認めます。全身症状はみられませんが、経過は慢性で難治性です。

根治的な治療法はまだ確立していませんが、外用療法(ステロイド外用薬、活性型ビタミンD3外用薬)、内服療法(エトレチナート、シクロスポリン、メソトレキサート、止痒薬、抗生物質など)、光線療法、生物学的製剤、顆粒球除去療法などがあります。

治療薬、治療法に関してはガイドラインが提唱されています。治療法の特性を理解し、病態に適した治療法を選択します。

普段の生活で気をつけてほしいこと
  • できるだけ皮膚を露出し、適度に日光浴をしましょう。
  • 治療は長期にわたり、生活の質が低下することもあるので、家族に病気のことを理解し、協力してもらいましょう。
  • 痒みがあるときは酒、たばこ、刺激のある食物や、長湯を避けましょう。
  • 皮疹のない部分に過剰な圧迫や摩擦、外傷、過度の日光浴などの外的刺激を与えるのは避けましょう。刺激により皮膚障害を起こすと、その部位に乾癬病変が生じることがあります。