単純疱疹(たんじゅんほうしん)とは、単純ヘルペスウイルスが感染して、皮膚や粘膜に水ぶくれをつくる病気です。皮膚や粘膜の接触で感染し、主に唇と性器に出ます。

水ぶくれは自然にも治りますが、早期に抗ウイルス薬を飲むことで、症状を軽くし、早く治すことができます。

多くの人は、一生に一度はこのウイルスにかかると考えられています。一度感染すると生涯、神経の中にウイルスが残ります。一部の人では神経に残ったウイルスが、再び活動しはじめ、皮膚に水ぶくれをつくります。

性器ヘルペスで何度も再発するときは薬を飲み続ける再発抑制療法が行われます。

腎臓の病気を持っている方は、薬に注意が必要なので、必ず医師に申し出てください。

飲み薬は通常5日間服用します。症状がひどいときは、もう少し続けることもあります。

再発抑制療法のときの抗ウイルス薬は、定期的に飲むことが大事です。飲み忘れに注意しましょう。

普段の生活で気をつけてほしいこと
  • ヘルペスは、疲れていたり、かぜをひいているなど、身体の免疫力が低下している状態のときに発症しやすくなります。十分に休息をとりましょう。
  • 水ぶくれをいじったり、かいたりするとばい菌がついて症状が悪化するので、注意しましょう。水ぶくれが強く出ているときには、よく手を洗いましょう。
  • 明らかに水ぶくれがあるときには、他人との頬ずり、キス、性交などの濃厚な接触は避けましょう。また、症状が出ていなくてもウイルスに感染している場合があります。性交渉の際は、症状が出ていなくても相手に移る可能性があるので、コンドームを使用しましょう。ただし、パートナーも感染している場合も多いので、その場合は特にコンドームは必要ありません。