皮膚に起こった水虫を長年放置すると、爪にも水虫が起こることがあります。これを「爪白癬(爪水虫)」といいます。

原因は、足にできる水虫と同じ、カビの一種の白癬菌です。

きちんと治療をすれば完治は可能です。

爪水虫にかかると、爪が白く濁った色に変色したり、厚くなったり、ボロボロとかけたりします。

爪白癬を放置すると繰り返す水虫の原因となり、時には体や顔に白癬が及ぶこともあります。

爪を一部切り取って白癬菌の有無を調べる検査を行って確定診断をします(見た目だけでは診断できません)。

治療には内服の抗真菌薬が用いられます。12週間毎日1錠内服するタイプ、毎日8錠を1週間内服して、3週間休薬を3回繰り返すタイプと、治癒まで毎日1錠内服するタイプがあります。

薬を飲み始める前に、他の疾患のために内服している薬の確認と、採血の検査が必要です。併用薬や採血の結果によっては、いずれかの薬剤しか使用できない、もしくはいずれも使用できない場合もあります。

内服治療を開始後、定期的に採血を行い、副作用が起きていないか調べます。

治療には通常、6~12カ月要します。

内服薬が使えない場合には、外用薬を使用します。その場合、1年以上かかることもあります。

水虫に似た症状を起こす皮膚の病気には、さまざまなものがあります。自己判断での治療は控えましょう。

普段の生活で気をつけてほしいこと
  • 薬は自己判断で中止せずに、必ず指示された通りに服用しましょう。
  • 毎日入浴し、石けんで手足をきちんと洗うとともに、足の指の間なども丁寧に拭きましょう。
  • 家族に足に水虫の症状がある人がいたら、受診を勧めましょう。
  • 爪の濁った部分を短く切ったり、削ったりしないでください。爪の変形が強くなり伸びにくくなることがあります。
  • アルコールは適度に控えましょう。採血結果に影響してしまうことがあります。
  • アルコールや消毒薬で拭いたり、酢や熱い湯につけたりするのはやめましょう。