癜風の「癜」は、「なまず」の意味で、癜風には「しろなまず」「くろなまず」の別名があります。自覚症状がない褐色斑や白斑が、体幹(身体の胴体部分)を中心にところどころにできます。

この病気は、毛穴にいるマラセチアというカビの仲間が増えることによって発症します。日本ではそれほどかかる人はいませんが、熱帯地方では人口の20〜30%がかかるとされています。

自覚症状がないので、この病気に気がつかないことが多いのが特徴です。

似た症状が現れる病気に、扁平母斑、カフェオレ斑、尋常性白斑、炎症後色素斑、ジベルバラ色粃糠疹(ジベルバラいろひこうしん)など多数あります。皮疹の表面をこすりとって顕微鏡で調べる検査を行えば、簡単に鑑別することができます。

市販の湿疹用の外用薬を使用しても治りません。皮膚科を受診して治療しましょう。抗真菌薬を外用すれば2〜3週間で症状は軽快します。

マラセチアは、だれもが持っているカビ(真菌)であり、一度癜風にかかると、2年以内に80%近くが再発します。

普段の生活で気をつけてほしいこと
  • この病気が発症するいちばん重要な要素は温度です。衣類は気温にあったものを着ましょう。また、汗まみれになっていると発症しやすくなるので、こまめに汗をふくなどしましょう。
  • マラセチアというカビは、脂分があると増殖します。お風呂に入ったとき、余分な皮脂を洗い流すようにしましょう。