基底細胞がんは、基底細胞(表皮と真皮の間にあり、分裂して表皮細胞をつくる細胞)に類似した細胞が増殖するものです。皮膚がんのなかでもっとも発生頻度が高く、主に顔面に生じます。

転移することは極めてまれで、死に至ることはまずありません。

手術で患部を完全に切除すれば治癒させることができます。

何らかの理由で手術ができない場合は、放射線療法、凍結療法、抗がん剤の外用などの治療が行われます。ただし、手術に比べ、再発率は高くなります。

ダーモスコピーという特殊な拡大鏡を用いて観察する検査が行われます。痛みは全くありません。レントゲン検査のように放射線の被ばくもありません。

診断を確定するために、一部の皮膚を切り取る皮膚生検が行われます。局所麻酔薬を0.5~1ccほど注射し、径4mmほどの皮膚を採取し、顕微鏡で調べます。傷は1~2針縫合します。

普段の生活で気をつけてほしいこと
  • 基底細胞がんは日光にあたることで引き起こされることが多いので、サンスクリーンを塗る、日傘をさす、帽子・長袖の衣類などを着用するなどといった工夫で、日光から肌を守りましょう。
  • 皮膚生検や手術後の傷は水にさらして清潔を保ちましょう。可能な限りテープで固定し続けます。洗髪、洗顔は通常通り行ってもOKです。