熱傷(ねっしょう)はいわゆる“やけど”のことで、熱湯や暖房器具など高温の物質に触れて生じる皮膚の外傷をいいます。

熱傷の深さによってⅠ~Ⅲ度に分けられます。治療は、それぞれの深さに応じて行われます。熱傷の深さがⅡ度熱傷以上の場合、傷跡を残し、関節部位では将来硬くなってひきつれる(拘縮)可能性があるため、手術が必要になります。

症状が重い場合、皮膚のみならず内臓も障害を受け、ショックで血圧が下がったり、多臓器不全に陥るなど、生命に影響が及ぶこともあります。

熱傷が広範囲にわたる全身熱傷では、創部に細菌が付着し感染を起こし、さらに細菌が血液に入って全身を巡り敗血症を招くことが多くあります。抗菌薬で治療が行われますが、生命に深刻な影響を与えることが多いです。

将来傷跡から、有きょく細胞がんなどの皮膚がんが生じることが多いので、注意が必要です。

普段の生活で気をつけてほしいこと
  • 傷跡に潰瘍やびらんが生じた場合は、皮膚有きょく細胞がんなどの皮膚がんができているかもしれません。受診して皮膚の一部をきりとって顕微鏡などで調べる皮膚生検を受けましょう。
  • 傷跡は正常の皮膚より弱いので、ナイロンたわしでこするなどの機械的摩擦を受けたり、紫外線にあたることは避けましょう。