肥厚性瘢痕(ひこうせいはんこん)は傷を受けた後に、傷を修復しようとして線維組織が過剰にできた症状のことで、いわゆるミミズバレ状の傷跡(瘢痕)が、長い間残る状態をさします。

ケロイドや肥厚性瘢痕は、患部が赤く盛り上がって痛みや痒みを伴います。従来は治療できないとされてきましたが、最近では治療できるようになっています。

ケロイドや肥厚性瘢痕の原因には、体質に加えて、局所因子があります。可能な限り局所因子を排除することによって、予防や治療が可能になります。

局所因子として大切なことは、傷ができた場合それをできるだけ早く治すこと、傷跡を安静に保つこと、アレルギー反応がある場合は、その原因となる異物を除去すること、また感染を早く治療することです。

ケロイドや肥厚性瘢痕の治療法は、副腎皮質ホルモン剤やレーザー治療、手術、放射線治療などさまざまです。部位や個数などにより治療方針が異なります。

治療は非侵襲的なものから始め、それでも効果がないときには手術を行い、術後に放射線照射をすることが多いです。

症状が軽快した場合でも、傷部の安定が保てなかったり、掻いたり、擦ったりすると再発する場合があります。

普段の生活で気をつけてほしいこと
  • ケロイドが複数ある方は、細菌による皮膚炎である毛のう炎や、ざ瘡(にきび)から生じることが多いので、規則正しい生活とバランスのとれた食事を心がけましょう。
  • 毛のう炎やざ瘡が発症したらすぐに専門医にかかって治療しましょう。
  • 皮膚科や形成外科で「治療できない」といわれても、治療してくれる病院を探して専門医に相談しましょう。
  • ケロイドや肥厚性瘢痕は、健康保険が適応にならない治療法があります。