口腔の粘膜病変の代表的なものに、扁平苔癬(へんぺいたいせん)があります。40~60歳代の女性に多い症状です。
扁平苔癬は、頬粘膜や歯肉、舌、口唇に発現し、両側性・多発性に発症する特徴があり、白斑と紅斑が混在します。口腔粘膜以外に皮膚等にも病変を併発することもあります。
口腔扁平苔癬の病変部では発がん物質に対する感受性が強く、がん化しやすいとされ、口腔潜在的悪性疾患とされています。
診察では、問診・視診により、薬剤や金属アレルギーなどに対する検査をします。さらに、組織の一部を採って顕微鏡で調べる生検によって、悪性腫瘍、白板症などの粘膜疾患との鑑別を行います。疼痛が激しいときは、感染を伴っていることがあります。
治療は、保存的療法としてステロイド外用薬を用います。ステロイド外用薬で効果を得られないときは、内服薬による治療を行います。なかなか治らない場合は、手術を行うこともあります。
口腔粘膜の扁平苔癬は、皮膚に発症した場合よりも難治性で治療には長期間かかります。
灼熱感や疼痛などがあるときは治療が必要なので受診しましょう。
![]() |
![]() |
![]() |
![]() |
![]() |