舌がんは、口腔がんの中でもっとも頻度の高いがんです。罹患者数は毎年4,000人です。50~60歳の男性に多く、まれに20歳代でも発症します。
好発部位は、舌側縁から舌下面で、特に奥歯周辺の側縁部に多く発症します。
舌が痛い、舌にしこりのようなものができる、口臭などの症状がみられます。進行すると、食べ物を食べられなくなったり、出血がみられたりします。
頸部リンパ節への転移は30~40%で、口腔がんの中では比較的高いといえます。
早期に発見すれば、病気Ⅰ期で5年生存率は約80%です。
舌がんの危険因子は、タバコとお酒です。タバコを吸う人は吸わない人の約7倍、飲酒習慣がある人はない人の約6倍の発症です。また、両方の習慣がある人は片方の習慣の人の数倍に達します。
虫歯で掛けた歯や、合わない入れ歯などが舌の粘膜を傷つけて発症リスクが上がると指摘されています。
治療法は、病期によって決定されますが、中心は手術療法と放射線療法です。状況に応じて化学療法が行われます。
一般にⅠ期は手術療法か放射線療法のいずれか、Ⅱ期は手術療法か放射線療法のいずれか、あるいは両方、場合によっては化学療法、Ⅲ期は手術療法を中心に放射線療法と化学療法の併用、Ⅳ期は放射線療法と化学療法が主で、手術療法が追加されることがあります。