結腸軸捻転は、腸間膜を軸として腸がねじれる病気です。S状結腸に起こることが多く、盲腸でも起こります。S状結腸過長症、慢性便秘、高齢者、長期臥床、神経内科疾患、精神薬の服用、巨大結腸症に多くみられます。

結腸軸捻転は、腹痛、腹部膨満の自覚症状から発症し、排ガスの停止、便秘、嘔気・嘔吐、下痢、発熱などの症状を伴います。急性型、亜急性型、慢性型があります。

腸重積は小児に多くみられ、成人ではまれな病気です。腸管が連続する腸管に入り込んで腸閉塞を起こす病気です。

結腸軸捻転の場合は、CT画像から診断され、早急な治療が必要です。特に腹膜炎や腸管壊死を疑うときは緊急手術を行います。それ以外は内視鏡的整復術で、腸管を本来の状態に戻したり減圧を行います。これで8割は改善できますが、その効果は一時的で6割は再発します。そのため、必要に応じて、内視鏡的整復術のあと、S状結腸切除術や腹腔鏡手術を行うことがあります。人工肛門(ストーマ)を造設することもあります。

人工肛門を造設した場合は、人工肛門による排泄をスムーズに行うストーマケアをマスターしましょう。一人でケアが難しい場合は、家族に協力してもらいましょう。

腸重積の場合は、CTなどの画像検査により診断します。器質的疾患の場合は手術します。偶然発見された特発性腸重積の場合は外科手術を行わないで保存的加療になります。ただし、症状が悪化したときは緊急手術になることもあります。

普段の生活で気をつけてほしいこと
  • 便秘は結腸軸捻転のリスクファクターです。食物繊維を積極的にとるなどして、便秘をしないようにしましょう。