<直腸脱>

直腸が肛門から外に脱出する病気で、出血や疼痛、排便困難などを伴います。

骨盤の底部を支える筋肉の力が低下することなどが原因です。高齢の女性に多くみられます。

直腸が完全に脱出している完全直腸脱と、一部が脱出している不完全直腸脱があります。

視診で診断がつきます。

<粘膜脱症候群>

排便時に強くいきむことを繰り返していると、直腸粘膜が外に脱出するようになります。そのため直腸粘膜の血流が悪くなり、直腸に潰瘍ができたり、ポリープ状の隆起ができたりする病気です。

直腸鏡検査や大腸内視鏡検査、粘膜の一部を採って顕微鏡で調べる生検などで診断します。

<直腸脱>

不完全直腸脱の場合は、手術で治療します。術式には、開腹して直腸後方を遊離して固定する直腸後方固定術や、肛門から粘膜を縫い合わせて短くする粘膜縫縮術、粘膜切除術などがあります。

不完全直腸脱の治療は、便秘対策や排便習慣の改善が中心となります。水分摂取を増やしたり、食物繊維を多くとるなど食生活を変えたり、下剤や浣腸で排便を調節することで症状が改善することがあります。

初期には、自然に戻ることが多いですが、進行すると排便後も脱出が続きます。放置すると、疼痛、出血、腫れが悪化し、さらに重症化すると脱出した腸が大きく腫れて容易に戻らなくなるので、注意が必要です。

<粘膜脱症候群>

便秘対策が治療が中心です。