上腸間膜動脈閉塞症・上腸間膜静脈血栓症は突然発症する病気で、強い腹痛を伴います。

原因は腸へ血液を送る血管に障害が生じたもので、腸への血液の流れが低下して発症します。完全に血流が停止すると、腸が壊死するため、緊急の手術が必要になります。

発症からの経過時間や閉塞の程度によって治療法は異なります。発症後数時間から数日間の検査と治療が重要になります。

診断には一般の検査のほか腹部造影CT検査や、血管造影検査が必要です。

治療は、カテーテルを用いた血栓溶解療法により腸管への血流再開をめざしますが、腸管壊死が疑われるときは切開切除を伴う緊急手術になります。

手術では腸の切除範囲を決めるために2回に分けて行うこともあれば、人工肛門を増設する場合もあります。

再発率が高いので、十分な経過観察が必要です。

再腸管切除範囲が長いときは、手術後に短腸症候群といって、消化吸収不良、感染症に繰り返しかかりやすくなるなどの免疫能の低下などが生じることがあります。