悪性リンパ腫は、リンパ節、脾臓、扁桃などを含むリンパ組織にできる腫瘍の総称です。日本人の発症率は人口10万人あたり7人程度とされています。その中で腸に発生するものは10%以下です。

悪性リンパ腫はがん細胞の起源や進行の速度によって低悪性度B細胞性、中・高悪性度B細胞性、T細胞リンパ腫の3タイプに分類されます。

T細胞リンパ腫は、B細胞性に比べると予後が悪いといわれます。

低悪性度B細胞性は年単位で進行するリンパ腫で、MALTリンパ腫、濾胞性(ろほうせい)リンパ腫などがあります。

中・高悪性度B細胞性は月単位あるいは週単位で進行するリンパ腫で、びまん性大細胞型B細胞リンパ腫、バーキットリンパ腫、マントル細胞リンパ腫などがあります。

治療方針を決定するために、リンパ腫の組織を内視鏡や手術により採取してリンパ腫の種類を特定し、CTやPET検査でリンパ腫の広がりを調べます。

治療は、手術療法と化学療法、放射線療法とを組み合わせて行います。手術療法で切除可能であった場合は、その後の再発率は低いといわれます。化学療法中に、腸に穴が開き、緊急手術が必要となることがあります。

低悪性度のリンパ腫の場合は、化学療法や放射線療法で完治する場合も多く見られます。中・高悪性度のリンパ腫で難治性の場合は大量化学療法と幹細胞移植を併用することがあります。

腹痛や吐き気、多量の血便が見られたときは、緊急手術が必要になることがあります。

手術や化学療法の予定が決まったら、体調を整えましょう。