熱中症は、温度が高い環境(ヒートストレス)に身体が適応できなくなった状態です。
最初に起きる症状としては、身体の痛み、吐き気などありふれたもので、診断や重症度の判定は難しいといえます。やがて、大量の汗をかき、脱水により体液のバランスに異常が生じ、重症になると肝機能障害や多臓器の異常を起こすようになります。
熱中症は、必ずしも炎天下で起きるとは限りません。体育館内でのスポーツや室内での労働でも起こります。高齢者や、心臓病、糖尿病などの慢性疾患がある場合は、室内で普通に生活していても熱中症にかかることがあります。
診断は、血液検査により体液のバランスや肝機能を調べます、必要に応じて頭部CT検査を行うこともあります。
予防が治療になります。軽い熱中症では、身体を冷やし、水分や塩分をしっかりとることが大事です。入院して点滴を必要とする場合もあります。重症の場合は、死亡率も高く、治っても後遺症を残すことがあるので、専門施設で集中治療を行います。
帰宅できる場合、全身状態が悪くなった場合や症状が出現したときは再受診してください。筋肉痛やコーラ色の尿を認めた場合には筋肉が壊れて起こる症状で、時間がたってから出現することがあり、速やかな受診が必要です。
再発しやすいので、環境を整え、水分や塩分の補給を行い、マスクの適切な着脱を行うなど、正しい知識を身につけましょう。