感染性心内膜炎は、心臓の中の弁や膜に細菌やカビなどが感染して起きる、非常に重い疾患です。

原因は、血中に混入した菌が心臓内の壁や弁などに塊(かたまり)をつくるもので、先天性心疾患や心臓弁の病気、あるいは人工物による心臓手術後に発症することが多くみられます。

症状としては、発熱や全身のだるさ、食欲不振、体重の減少などの感染による症状と、むくみ、動悸、息切れ、呼吸困難など心不全による症状がみられます。

診断は、診察に加え、血液検査や心臓超音波検査などを行い、確定します。

治療は、入院して抗菌薬の大量投与を行います。治療期間は4~6週間です。

治療効果が不十分で心不全、塞栓症を繰り返す場合は手術で菌の塊を除きます。

特に子どもは感染性心内膜炎を起こしやすいので以下の点に注意しましょう。

  • 出血を伴う歯の治療には抗菌薬による予防が必要です。歯科医師に話し、適切な予防処置を受けましょう。
  • 虫歯を放置すると、この病気を引き起こしやすくなります。歯磨きなどの口腔ケアを欠かさないようにしましょう。
  • 爪をむしらない、ニキビや便秘の適切なケアをするなど、注意が必要です。
  • 高熱が出たとき、原因が特定できないとき、熱が下がらないときは一般小児科の診察を受けましょう。
  • 手術などで感染性心内膜炎のリスクは高まります。受診するときは医師に疾患のことを話しておきましょう。