若年性特発性関節炎は、16歳未満の子どもに発症する原因不明の慢性関節炎です。

関節の腫れ、痛みといった関節炎が主な症状である関節型と、炎症が関節以外の全身に及ぶ全身型とがあります。関節型はさらに、炎症を起こす関節の数や自己抗体の一つである抗核抗体の有無によって分類されます。

原因ははっきりしていませんが、本来外敵から身を守る免疫システムが、何らかの理由で自分自身の関節の成分を攻撃することによって起きるといわれます。

治療は、症状や検査の異常を改善して、なるべくよい状態を維持するのが基本です。そのためには、いくつかの薬を使用して炎症を抑えます。関節型の場合はメトトレキサートと非ステロイド性抗炎症薬、全身型の場合は非ステロイド性抗炎症薬と副腎皮質ステロイド薬を中心に使用します。

効果が出てくるまでに数カ月がかかります。なかなか改善されない場合は、生物学的製剤の使用を考えます。生物学的製剤とはバイオテクノロジーによって生み出された医薬品です。

内服期間中はインフルエンザや水痘の発症に注意が必要です。罹患したときはすぐに受診しましょう。またこの間は生ワクチンの使用は控えます。

発熱や関節の腫れ、痛みがなければ運動制限はありません。もし、腫れや痛みがあるときは関節に負担をかけないようにしましょう。

症状が持続したり悪化する場合は、主治医に相談しましょう。

全身型の場合、退院後に発熱した際にそれが再燃かどうか判断が難しいことがあります。どのような場合に連絡をしたらよいか、主治医とよく話し合っておきましょう。