気胸は、肺から空気が漏れ出て胸の中にたまり、肺が押しつぶされる病気です。胸の中の空気は逃げ道がないのでどんどんたまり、もう一方の肺も押しやられるので、呼吸は苦しくなってきます。これを緊張性気胸といいます。

子どもの場合は、年長のやせ型の男子に多くみられ、強く息んだりしたときに起こる、はっきりした原因がない自然気胸がほとんどです。CTなどで詳しく検査をすると、肺の表面にブラと呼ばれる小さな空気の袋ができていることがあります。

特に、少し早く生まれて、肺の広がりがよくない新生児呼吸窮迫症候群や生まれるときに便を吸い込んでしまった胎児吸引症候群の赤ちゃんに多くみられます。

漏れた空気が少量であれば、酸素を吸いながらたまった空気が吸収されるのを待ちます。緊張性気胸の場合は、空気が漏れている側の胸の上部に注射器を刺して空気を吸い取ります。再び空気がすぐにたまるようなら脇から胸にチューブを入れて吸い続けます。これを胸腔ドレナージといいます。

毎日X線写真で空気の量を確かめます。漏れが止まり、肺が広がったらチューブを抜きます。1週間以上、漏れが止まらないときは、破れた肺を切り取って縫い合わせる胸腔鏡手術が必要です。

小児では50~60%の再発率があります。1年以内の再発がほとんどです。再発を繰り返すときは手術を行ったほうがよいでしょう。

退院後は息むような動作をなるべく避けましょう。

飛行機に乗るときは気圧に注意が必要です。事前に医師に相談しましょう。

新生児では、退院後は普通の赤ちゃんと同じ育て方で構いません。