手足口病(てあしくちびょう)は、文字どおり手足と口に水疱(水ぶくれ)状の発疹ができる病気です。

原因は主に、コクサッキーウイルスA16型とエンテロウイルス71型です。近年、水疱がやや大きい手足口病の流行がありましたが、これはコクサッキーウイルスA6型によるものです。

臨床症状でほぼ診断がつきます。

症状としては、手のひらや甲、指の間、足の裏や甲、口腔内に発疹がみられます。発疹は下腿(ひざから足首までの部分)や膝関節、お尻にできることもあります。

ほとんどは軽症ですが、まれに脳幹脳炎やポリオ様麻痺、ギラン・バレー症候群などの中枢神経系の合併症を引き起こすことがあるので注意が必要です。

原因ウイルスに対する特効薬はありません。発熱のために全身状態が悪い場合は、解熱剤が用いられるなど対症療法が中心となります。

水分摂取が可能で十分な排尿があれば脱水症の心配もないので、外来で経過観察します。脱水症がひどいときは輸液をすることもあります。

発症後数日してからけいれんや意識障害、麻痺などの神経症状が現れた場合は、すぐに受診してください。

普段の生活で気をつけてほしいこと
  • 発熱など全身症状が強い場合は、入浴を控えましょう。