血友病は、生まれつき凝固因子が不足することによって出血症状をきたす病気です。第VIII因子が不足するものを血友病A、第IV因子が不足するものを血友病Bといいます。

症状として現れるのは男性のみで、ほとんどの場合で、女性は症状が現れない保因者です。母親が保因者の場合、男の兄弟は50%の確率で血友病になります。

凝固因子の活性により軽症、中等症、重症に分類されますが、軽症と中等症の場合は自然に出血することはまれで、ケガや手術のときに注意すれば十分です。

重症の場合はケガをしなくても自然に出血することがあります。もっとも出血が多い場所が関節で、痛みを伴います。尿路に出血したり(血尿)、臓器に出血するような場合は早期に凝固因子製剤の投与が必要になります。

皮下出血だけで痛みを伴わない場合は、安静、患部の冷却、傷口の圧迫、挙上(心臓より高く持ち上げる)などの処置で改善することがあります。

鼻・喉・口、筋肉、関節など皮下出血以外の出血、出血のサインであるひりひりした痛みや熱感には凝固因子製剤の投与が必要です。すぐに受診しましょう。

尿路出血(血尿)や股関節を屈曲させる腸腰筋からの出血、あるいは出血量が多いときは、入院が必要になります。

軽症や中等症の場合は、通常の虫歯治療に凝固因子製剤の補充は不必要です。ただし、抜歯の場合は必要です。

中等症や重症の場合は、外傷をきかっけに重篤な出血を起こすことがあるので、激しいスポーツは避けましょう。