糖尿病は子どもにも起こります。糖尿病には1型糖尿病と2型糖尿病があります。

血糖を下げたり、血液中のブドウ糖を細胞に送り込んでエネルギーに変えたりするインスリンというホルモンがあります。1型糖尿病は、インスリンが膵臓から出なくなる病気で、小さい子どもにも発症します。インスリンが足りないのでブドウ糖からエネルギーが作れず、細胞は栄養不良に陥り、利用されないブドウ糖は血中に流れて高血糖になります。

2型糖尿病は、インスリンの分泌の仕方が悪くなったり、インスリンの効き方が悪くなったりして高血糖が起こります。最近は中学生や高校生にも増えています。

糖尿病では、血糖が高い状態では、尿にブドウ糖が出たり(尿糖)、尿が多くなったりして体内の水分が不足してのどが渇きます。血糖コントロールが悪い状態が長年続くと眼や腎臓の働きを悪くしたり、痛みが感じにくくなり、しびれが出るといった神経症状が生じたりする危険があります。

治療は、1型では不足するインスリンを注射で補うインスリン療法を行います。2型では、食事療法や運動療法で血糖コントロールし、治療が十分でないときは薬物療法を行います。

定期的に外来受診し、血液検査や尿検査による血糖や尿糖、また、過去1~2カ月の血糖値の平均値の指標であるHbA1cを検査します(目標値は7.5%以下、小児においても可能なら7.0%以下)。きめ細やかな血糖コントロールが必要です。

1型の場合はインスリンが効きすぎると低血糖に陥ってだるさ、ふるえ、冷や汗、ものがかすむ、顔面蒼白、意識障害やけいれんなどの症状が出ることがあります。重症な低血糖を極力避けるため、自己血糖測定、運動量に見合った補食などを工夫していきます。