黄疸は、赤血球を分解する過程で生じるビリルビンという物質が排泄されずに血中にたまり、皮膚や白目が黄色くなる症状をいいます。新生児は、生理的に赤血球が多く赤血球の寿命も短いので、ビリルビンが多く作られます。その上、ビリルビンを代謝して排泄する肝臓の機能も十分ではないので、生理的に黄疸が出るのです。しかし、生理的黄疸は生後4~5日がピークで、以降は自然に消えていきます。

病的な黄疸の場合、ビリルビンが脳に沈着して神経障害を起こすことがあります。これをビリルビン脳症または核黄疸といいます。運動障害、難聴、知的障害などの後遺症が出ることもあります。このような神経障害を防ぐために光線療法の基準は考えられています。治療をうけて黄疸をコントロールすれば過剰な心配は不要です。

黄疸が強く出る原因としては、母親との血液型不適合、哺乳不足、分娩ストレス、多血、頭血腫、感染症、また早産や低出生体重児にも見られます。その他、原因がはっきりしないものもあります。

黄疸の治療は光線療法が基本です。青から紫色の可視光線を照射してビリルビンを排泄しやすい形に変える方法です。

血液不適合による溶血性黄疸が強い場合は、光線療法では不十分なことがあり、血液を入れ替える交換輸血を行ったり、溶血を減らすガンマグロブリンという血液製剤を投与します。

母乳育児は継続可能ですが、哺乳不足の場合は搾母乳または人工乳を併用します。

生後早くから頻回の授乳を行うと、哺乳不足による黄疸を防ぐことができます。

母乳をたくさん飲んでいる元気な赤ちゃんでは、母乳性黄疸といって生後1カ月ころまで黄疸が残ることがあります。

生後2週間を超えて遷延する黄疸(遷延性黄疸)は、病的意義の少ない母乳性黄疸のこともありますが、甲状腺機能低下症や胆道閉鎖症などの基礎疾患による症状のことがあるため検査が必要になることがあります。産科を退院したころより黄疸が強くなった、母乳やミルクの飲みが悪い、元気がない、黄色みの薄いクリーム色や白色の便が出るといった場合は受診しましょう。