動脈管とは、大動脈と肺動脈を結ぶ血管です。赤ちゃんがお腹の中にいるときは、胎盤から、この動脈管を通して酸素をもらっています。しかし、誕生すると赤ちゃんは自分で呼吸をするようになり、動脈管は必要がなくなり、ふつうは閉じてしまいます。ところがこの動脈管が閉じずに、開いたままになっているのが動脈管開存症です。

動脈管が開いたままなので、心臓から送り出される血液の一部が動脈管から肺動脈に流れ込み、感染性心内膜炎という心臓の細菌感染を引き起こすことがあります。

生後数カ月くらいまでは自然に動脈管が閉じることもあるのですが、それ以降は閉じることはなく、治療の必要が出てきます。

治療は主に、カテーテルによる治療と手術とがあります。動脈管の大きさや形状によって選択します。一般に動脈管が太い場合は手術、細い場合はカテーテルによる治療となります。

最近では動脈管専用閉塞栓の保険治療が認められ、太い動脈管でもカテーテルによる治療ができるようになってきました。心電図、レントゲン、心臓超音波検査などで精密な検査を行い、適切な治療を選択しましょう。

予後は非常に良好で、一般の子どもたちと同様の生活ができます。