好酸球性食道炎は好酸球というアレルギー反応に関与する白血球が食道に過剰に集まって慢性的な炎症を生じる病気です。嚥下困難や食事のつかえ感、胸痛や胸やけなど、食道の運動機能の異常に関連する症状が見られます。
30~50歳代の男性に多く発症し、喘息、アトピー性皮膚炎、アレルギー性鼻炎などのアレルギー疾患を合併することが多いです。
検診の上部消化管内視鏡検査で見つかることが多く、内視鏡検査約300例に1例程度診断されると報告されています。
内視鏡検査で縦走する溝状の変化などの特徴的な所見を認めることが多く、診断のために粘膜の一部を採取して、顕微鏡で好酸球が多く集まっていることを確認します。
治療には、まず胃酸の分泌を抑制する内服薬(プロトンポンプ阻害薬)を用います。この薬の服用により6~7割の方の症状や食道の炎症が改善します。
プロトンポンプ阻害薬の効果が不十分であった場合には、喘息などで用いる吸入ステロイド薬を内服で用います。
アレルギーの原因となりやすい食品(乳製品、卵、小麦、大豆、ナッツ類、魚介類)を除去した食事療法を行う場合もあります。
食道の狭窄により食事の摂取が困難な状況となった場合には、内視鏡を用いて狭窄部の拡張(バルーン拡張)を行います。