22q11.2欠乏症候群は、22番目の染色体が欠けている染色体異常の病気です。4,000人に1人の割合で発症し、ダウン症についで多いといわれます。

症状としては、腫れぼったいまぶた、細く離れた目、鼻の付け根が平たいなどの特徴的な顔つきをし、先天性心疾患や低カルシウム血症、口蓋異常、免疫不全などがみられます。成長するにしたがって、言葉や発達の問題、背骨の変形、低身長、精神障害などさまざまな症状が現れます。

多くの場合、突然変異で起こります。遺伝することもありますが、両親のいずれかに同じ異常がみられるのは1割以下です。また、両親のどちらかが22q11.2欠乏症候群であった場合の子どもは、50%の可能性で欠損が起きるといわれています。

診断は、FISH(フィッシュ)法という染色体の検査によって確定します。

治療法としては、心疾患や口蓋裂傷には手術、低カルシウム血症や免疫不全には薬剤投与というように、それぞれの症状に応じて治療し、生活の質を維持できるように訓練します。

継続的に通院し、合併症の出現を確認するときは検査入院し、心臓の病気や免疫不全による感染症、食事がとれないなどの症状が出たときも入院して治療します。