熱性けいれんとは、発熱とともに起こすけいれん(ひきつけ)で、生後6カ月~5歳の小児に見られる病気です。

原因は、脳の未熟性といわれますが、はっきりしていません。

約50%の乳幼児は1回だけの発症ですむといわれます。しかし、家族に熱性けいれんの既往がある場合には繰り返し起こすこともあります。

熱性けいれんがてんかんへ移行するのは約4%といわれ、高い率ではありません。

けいれんによる脳への障害は、けいれんの持続時間が短い場合には心配ないといわれます。30分以上続く場合には障害をきたすこともあります。

けいれん発作が24時間以内に再度起きた場合や意識が正常に戻らない場合には単純性熱性けいれんではない可能性があります。けいれんが15分以上続く場合は重積発作といい、注意が必要です。

熱性けいれんは、髄膜炎や急性の脳炎や脳症を鑑別して診断されます。けいれん発作が長引く場合や嘔吐を伴ったり首を痛がったりするようなときは入院して経過を観察し、脳波検査や頭部MRI検査を行います。

単純型の熱性けいれんの場合はふだん通りの生活をしてかまいません。ただし、予防接種は1カ月以上あけて実施しましょう。

熱性けいれんが3回以上あった場合、家族の中に熱性けいれんの経験がある人がいる場合、短期間で発作を繰り返す場合は、発熱時に予防的に座薬を使用します。

座薬で予防できなかった場合や低い熱でもけいれんを起こすようなときは毎日薬を服用します。薬は2年間、5歳まで使用します。

けいれんの様子がいつもと違うときは受診しましょう。