虫垂炎は、いわゆる盲腸炎のことです。盲腸の先端についている先の閉じた腸管が虫垂で、ここに細菌感染をしたり、異物などが侵入して炎症が起こる病気です。

どの年齢でもみられますが、小児では学童以上で起こることが多いです。

超音波検査や腹部CT検査などで診断します。

典型的な症状は右下腹部の痛みです。その前にみぞおちが痛くなったり、小児では痛みの場所がはっきりとわからないこともあります。発熱や嘔吐、下痢、便秘などを伴うこともあります。

子どもでしばしばみられるのが穿孔性(せんこうせい)虫垂炎です。感染を起こした虫垂が破裂し、膿(うみ)がおなかの中に漏れ出すものです。

治療は、軽症であれば経過観察したり、抗生物質を服用したりして、外来で様子をみます。重症の場合は、入院したうえで適切な時期に手術を行います。

最近では、抗生物質で感染を抑えてから、数カ月後に改めて手術を行うこともあります。

手術後、腸管が癒着し食物の通りが悪くなり、一時的に絶食が必要となることがあります(イレウス)。イレウスは退院後に起こることがあり、腹痛、嘔吐などの症状がみられたら受診が必要です。

手術をせずに外来で経過観察となった場合、腹痛や嘔吐がひどくなったり、意識障害が現れた場合はすぐに受診してください。また、飲食・投薬は医師の指示を必ず守ってください。

虫垂炎を繰り返す場合は手持ちの抗生物質などを安易に使わず、受診してください。