脱水症とは、体液が失われた状態をいいますが、水分だけでなく、体液を構成するナトリウムイオンなどの電解質も失われます。

脱水症の原因としては、最も頻度が高いのはウイルス性腸炎です。その他、周期性嘔吐症、肺炎、気管支炎などさまざまな病気が原因になります。

症状として、元気がない、尿量が少ない、手足が冷たい、唇や皮膚が乾いている、眼が落ちくぼむなどがみられます。

ウイルス性胃腸炎では、嘔吐が何回か続いた後に下痢を発症します。嘔吐が治まり、水分が十分に摂取できるようになれば下痢が続いても脱水の心配はほとんどありません。しつこい嘔吐は半日から1日程度で治ります

発熱したり、感染症に罹患したりしたときは脱水に注意し、食欲がなくても、水分だけはとりましょう。

軽度の脱水は自宅で治療が可能です。嘔吐がある場合でも少量の水(1回5mL)を何度も与えます。少し元気がないときは、OS-1©やアクアライト©などの経口補水液を利用しましょう。

脱水が改善しないときや症状が重いときは、医療機関で輸液療法(点滴)を受けます。人によっては入院も必要になります。

脱水を伴う嘔吐に対しては制吐剤、下痢に対しては整腸剤を使用します。制吐剤はまれに副作用として神経症状が現れるので、どうしても必要な場合にのみ使います。

元気がない、尿量が少ない、嘔吐が頻回に続く、下痢が大量というときには受診しましょう。

普段の生活で気をつけてほしいこと
  • 発熱したり、何らかの感染症にかかった場合は、脱水症にならないように、食欲がなくても、水分は十分に摂取しましょう。