クループ症候群は幼児に多く発症する、急性のウイルス性感染による呼吸器の病気です。
症状としては、38℃以上の高熱が出て、空気が冷える深夜に悪化し、息を吸うときに呼吸困難がみられ、イヌの遠吠えのような咳をし、声がかれるなどが挙げられます。
原因となるウイルスには、パラインフルエンザウイルス、RSウイルス、インフルエンザウイルスなどで、咽頭下部や喉頭、声帯や気道の入り口などに炎症を起こし、気道が狭くなって呼吸障害が出ます。
部屋を暖かくし、湿度を高く保てば軽快することもあります。
受診して、デカドロン経口療法、ボスミン吸入療法を行えば、数日で呼吸障害は消え、日常生活は元に戻ります。
治療の反応が悪いときは、喉頭部CT検査、喉頭ファイバーなどにより、他の病気との鑑別を行います。鑑別疾患に関してはさらに検査をすることがあります。
デカドロン内服は効果が出るまでに2~4時間、ボスミン吸入は2時間以内というように、それぞれに効果が現れるまでの時間が異なります。そのため、中等度以上では、デカドロイン内服とボスミン吸入を同時に行います。この場合、いったん症状が軽快しても、2時間後に再悪化する可能性があります。治療をしてすぐに帰宅した場合には、そのことを忘れないようにしておきましょう。
症状が重い場合は数日間の入院をすることもあります。しかし、クループ症候群から気管支肺炎、急性肺炎を合併、続発することはきわめてまれです。
呼吸が苦しくて眠れない、水分が取れないなどの場合は、再診してください。
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