血管性紫斑病は4~7歳の男の子に多く発症する、全身性の小血管炎です。

原因は不明ですが、溶連菌やマイコプラズマなどに感染したことが引き金になって起きると考えられています。

代表的な症状は、①足や腕の紫斑、②腹痛や血便、③関節の痛みや腫れなどです。紫斑病腎炎を合併して、血尿や蛋白尿といった症状が現れることがあります。

上記①②③の典型的な症状を示す場合には、診断は容易です。初期にこれらの症状が全部現れなくても、他の原因が見当たらないときは血管性紫斑病が疑われます。症状が紫斑のみの場合には、血小板減少性紫斑病と鑑別するために、血液検査を行います。腹痛がある場合には、外科的な病気がないか超音波検査を行います。

通常は2~3週間で軽快します。その間安静を保つことが大事です。自宅では安静を保てないとか、腹痛や血便などの腹部症状、関節痛や歩行困難などがみられるというときは点滴やステロイド薬が必要になり、入院して治療します。

予後は良好ですが、一度軽快しても再燃することがしばしばみられます。退院後に紫斑病腎炎を発症することがあるので、約6カ月間は定期的な尿検査必要です。また、血尿やむくみ、倦怠感、食欲不振などの症状がみられたら、すぐに受診しましょう。