川崎病は乳児に多い急性熱性疾患です。

主な症状は、熱が5日以上続き、眼球の結膜が充血し、口唇が赤くなり、イチゴのような舌(苺舌)になり、頸部のリンパ節が腫れ、体に発疹が出て、手足の指先がパンパンに腫れます。

これらの症状のうち、5つ以上の症状が見られたら川崎病です。また、他の原因が考えられないときは、5つの症状がそろわなくても川崎病と診断されます。

原因は不明です。

治療をしなくても約1カ月半で炎症は治まりますが、その場合には冠状動脈の病変(動脈瘤や拡張、狭窄)の後遺症が生じる可能性があります。

後遺症を残さないために、急性期に炎症を鎮める治療と、血栓の発生を防ぐ治療を行います。

急性期に炎症を鎮めるために、アスピリン療法とヒト免疫グロブリン療法を行います。この治療により、冠状動脈瘤の発生率が15~20%から3~4%に低下したとの報告があります。治療反応が悪いときはヒト免疫グロブリンの追加投与やステロイド治療が行われます。

急性期を過ぎても血栓をつくりやすい時期が数カ月続きます。そのため3カ月間は血小板の作用を落とす薬を内服します。

発症から1カ月、2カ月の時点で行った心臓超音波および心電図に異常が見られないときは、受診間隔を6カ月、1年と伸ばしていきます。

冠動脈病変が出現したときはその程度によって治療方針が変わります。

アスピリン服用中はインフルエンザや水痘の発症に注意しましょう。将来の冠動脈疾患の予防に備え、喫煙と肥満予防を心がけましょう。