急性脳症は、幼児に多い病気で、日本では年に数百人がかかります。インフルエンザ、突発性発疹、ロタウイルス胃腸炎のような感染症を契機に、意識障害やけいれんなどの症状が急に出現します。

CTやMRIで調べると脳が腫れていたりむくんでいたりし、命にかかわることもある病気です。治っても後遺症を残すことがあるので、入院して集中的に治療します。

急性脳症かどうかを早期に診断するのは難しく、診断のためには、血液検査やCT、MRI、脳波などの検査が必要ですが、治療を早期に開始したいので、時には診断が確実でない段階で治療に踏み切ることもあります。

治療は、脳のむくみをとり、全身のバランスを回復させる方法をとりますが、急性脳症のタイプや重症度によって異なります。急激に変化する症状に合わせて集中的に治療することになります。

必要に応じて過度の炎症を抑えたり、体温を人工的に下げたりして脳を保護することもあります。