食物アレルギーは、特定の食物に対して過剰な免疫反応(症状)が繰り返し起きる疾患です。
新規発症の原因食物は、0歳では鶏卵、牛乳、小麦が中心ですが、1~6歳では木の実類、魚卵、ピーナッツ、学童期以降では、甲殻類、果物類、木の実類などが多くなります。
症状には、皮膚症状、粘膜症状、呼吸器症状、消化器症状などがあります。複数の症状が出るアナフィラキシーやショックを引き起こすこともあります。
皮膚症状には、蕁麻疹(じんましん)、かゆみ、赤み、粘膜症状には、瞼のはれや目の充血、鼻水、くしゃみ、口唇のはれ、呼吸器症状には、せき、喘息(ぜんそく)、呼吸困難、消化器症状には、悪心(おしん:気分が悪い)、嘔吐、腹痛、下痢などが挙げられます。
食物アレルギーの診断で、もっとも信頼性が高いのは食物負荷試験です。
多くの場合、2歳ころまでに発症しますが、ほとんどが成長とともに治ります。
治療法は、食物負荷試験による正しい診断のもと、必要最小限の除去食を行うことです。調理方法に配慮したり、適切な代替食を取り入れたりして食物除去を行います。定期的に評価を行いながら食物除去の解除を進めます。
集団生活を送るときは、除去食や誤食防止など特別な配慮が必要です。食事以外でも日常生活での接触や食材を利用した実習、特別活動にも注意が必要です。
食物アレルギーの事故はいつ起きてもおかしくありません。自宅では当然のこと、園や学校では保護者との連絡、頓服薬の確認のほか、病院手配など緊急時の備えを十分にしておく必要があります。
アレルギー症状が強く、全身症状がみられたときはエピペン(アドレナリン自己注射)を使用し、速やかに医療機関を受診してください。