ケアのポイント ©エルゼビア・ジャパン

うつ病(小児科) うつ病が中心の場合

担当医
どんな病気ですか?
  • 小児のうつ病は、20~50人に1人の割合でかかるといわれます。うつ病の子どもたちは性格がまじめで几帳面なことが多く、親に負担をかけたくない、心配させたくないと考えて必要以上に頑張っていることがよくあります。
  • 症状としては朝起きられない、涙もろくなる、意欲が出ない、体を動かしたくない、面倒くさいなどがしばしば見られます。
今後の検査や治療の説明
  • 検査は、身体の病気ではないことを確認するために血液検査や尿検査を行います。その上で、行動上の特徴を把握するために知能検査や性格検査を行うこともあります。
  • まずは日常生活リズムを整えるためにお子さんと話をする機会が必要です。必要に応じて保護者や学校との話し合いを行います。
  • 治療には薬を使用します。副作用や飲み方、効果が出るまでの期間などについては、十分に主治医の説明を受けましょう。
  • 薬の副作用のチェックのために定期的に血液検査などを受ける必要があります。
  • 経過はさまざまですが、適切な対応と治療でほとんどの子どもは回復します。
普段の生活で気をつけてほしいこと
していただきたいこと
  • 家族ができることは、「うまくいかない」環境からいったん子どもを離れさせ、休養させることです。子どもに「頑張らせない」ことは大事ですが、一方で「好きなようにしていいよ」という対応は、子どもには親が自分を見放したように感じられ、症状を悪化させることがあります。
  • まずは、挨拶や日常の会話を増やし、睡眠や食事の時間を規則的にしましょう。また、昼夜逆転にならないように、日中、縄跳びやウォーキング、場合によっては室内でできる身体を使ったゲームなど、少しずつ体を動かすようにさせましょう。
  • 外に出たくない、やる気が起こらない、泣き始めると涙が止まらない、食欲がない、眠れないなどの訴えがあるときは、受診しましょう。
更新日:2022/11/28
 
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うつ病(小児科) 背景に発達障害が診断された場合

担当医
どんな病気ですか?
  • 小児うつ病は、子どもでも20~50人に1人はなる可能性がある病気です。
  • 小児うつ病には、うつ病の背景に発達障害がある場合があります
  • 発達障害を抱えていると、行動や人間関係の問題を中心としてトラブルが多くなります。しばしば叱られたり注意されたりして自分に自信が持てなくなり、心のコンディションは悪くなりやすいのです。
今後の検査や治療の説明
  • 検査は、身体の病気ではないことを確認するために血液検査や尿検査を行います。その上で、行動上の特徴を把握するために知能検査や性格検査を行うこともあります。
  • まずは日常生活リズムを整えるためにお子さんと話をする機会が必要です。必要に応じて保護者や学校との話し合いを行います。
  • 治療には薬を使用します。副作用や飲み方、効果が出るまでの期間などについては、十分に主治医の説明を受けましょう。
  • 薬の副作用のチェックのために定期的に血液検査などを受ける必要があります。
  • 発達障害に対しては、社会生活訓練(SST)を行うことも有効です。
普段の生活で気をつけてほしいこと
していただきたいこと
  • 人間関係や行動面での問題に対しては、叱っても一時的に止むだけでまた繰り返します。大事なことは叱るのではなく、ほめること。問題となる行動をとらなければほめてもらえると感じさせる対応が必要です。
  • また、「うまくいかない」環境からいったん子どもを離れさせ、休養させましょう。「頑張らせない」ことは大事ですが、一方で「好きなようにしていいよ」という対応は、子どもが親に見放されたと感じ、症状を悪化させる一因になります。
  • 挨拶や日常の会話を増やし、睡眠や食事の時間を規則的にし、少しずつ体を動かすようにさせましょう。
  • 子どもにはSSTを行う場を探し、家族も発達障害について少しずつ学び、適切な対応ができるようにしましょう。
  • 外に出たくない、泣き始めると涙が止まらない、食欲がない、眠れないなどの訴えがあるときは、受診しましょう。
  • SSTの情報を集めましょう。
更新日:2022/11/28