鼻からのど、気管の入口にかけての空気の通り道を上気道といいます。この部分が炎症を起こした状態が上気道炎で、一般には“かぜ”と呼ばれています。

原因の大部分はウイルスですが、時には溶連菌やマイコプラズマなどの細菌が原因となることもあります。

主な症状は、発熱、鼻水、喉の痛みなどです。

鼻汁や喉のぬぐい液で病原菌を確認する迅速抗原検査でインフルエンザ、溶連菌、RSウイルス、アデノウイルスはすぐに診断がつきます。必要に応じて、血液検査やレントゲン検査が行われます。

多くの場合、10~14日ほどで自然に治ります。

インフルエンザ、溶連菌による急性咽頭・扁桃炎、マイコプラズマ肺炎の治療には薬が用いられます。これら以外の原因による上気道炎には有効な薬はありません。

適度な安静と保温を心がけます。食事、水分は無理に与える必要はありません。ほしがる程度に少しずつ与えましょう。

まれに、髄膜炎や肺炎などの重症の病気を合併することがあります。プレベナー(13価結合型肺炎球菌ワクチン)やヒブ(インフルエンザ菌b型ワクチン)を接種して予防に努めましょう。

発熱が3~5日たっても下がらなかったり、耳を痛がったり鼻汁が多くなっている場合は、再受診してください。

発熱や咳があっても、体がよく動き、表情が豊かで、夜ある程度眠れるようであれば心配はありません。

1日2回朝と夜に体温を測ったら、グラフにつけてください。

室温は22~27℃程度、湿度は50%を保ちましょう。暖かい衣服を選びましょう。