感染性食道炎・潰瘍は、ウイルスやカビなどによって生じる病気です。

健康な状態で発症することはまれで、HIV感染者、抗がん剤や免疫抑制剤を服用している人、臓器移植後の人、悪性腫瘍に罹患している人、糖尿病によって免疫機能が低下している人がかかりやすい病気です。

食事の際のつかえ感や痛み、胸や背中の痛みなどの症状が現れます。発熱や嘔吐、吐血などを伴うこともあります。

診断は、内視鏡検査(胃カメラ)により食道を観察し、組織を採取して確定します。

治療は、感染の原因に応じて抗ウイルス薬や抗真菌薬の投与を行います。しかし、免疫が低下した状態では、治療効果は不十分なので、免疫機能を改善する治療を並行して行います。

軽症の場合は、無治療で経過観察することもあります。

症状が強く、食事摂取ができない場合や、食道が狭くなる、出血量が多い、食道の壁に穴が開くなどの重症例では入院して治療します。また、免疫機能が低下した状態では複数の疾患が合併することがあり、入院治療の必要があります。

薬は自己判断で中断したり薬の量を減らしたりしないようにしましょう。治療効果が弱まります。副作用など気になるときは医師に相談しましょう。

普段の生活で気をつけてほしいこと
  • 治療は根気よく続けましょう。