一般に、便が硬く、排便しにくい状態が長く続くことを便秘といいます。

約5日以上排便がないと、便の中の水分が少なくなり、排便しにくい硬い便になります。

小児では、便秘が腹痛の原因として最も多くみられます。

約2週間を境に、慢性便秘と一過性便秘に大別されます。

慢性便秘はさらに、明らかな原因疾患がわからない機能性便秘と、なんらかの病気が直接の原因になっている器質性便秘に分けられます。

機能性便秘は、食べ物の偏りや運動不足に加え、硬い便や肛門周囲炎による排便時の痛みを避けようとする習慣が主な原因です。

問診と身体診察のほか、必要に応じて腹部X線や腹部超音波などが行われます。

出生時から便秘気味だったり、治療をしても改善がみられない場合は、器質性便秘が疑われます。肛門内圧検査や直腸の粘膜の一部を採って調べる直腸粘膜生検などの専門的な検査が必要になります。

小児の機能性便秘は成人と異なり、食事療法の効果はあまりはっきりしません。残った便の完全な排泄や生活指導、緩下薬などの薬物療法が治療の中心です。

食事は、乳幼児では果実類などが、学童ではそれに加えて、食物繊維が豊富なシリアル類や、お腹がゆるくなりやすいプルーンなどが勧められます。重症例では、乳製品の除去を行うことがあります。

乳児では、医師の指導の下で、綿棒浣腸や腹部のマッサージを行います。

便の塊の腸内の貯留が強い場合は、連日の浣腸が必要となることがあります。

普段の生活で気をつけてほしいこと
  • 1日1回毎朝、排便する習慣をつけましょう。
  • 薬はきちんと服用しましょう。