鼓膜の奥にある洞窟のような部分を中耳といいます。この中耳に何らかの炎症が生じることを中耳炎といいます。

急激に起こる急性中耳炎は1歳までの小児の約70%、3歳までに約90%の子どもがかかるといわれています。

人工栄養児や、タバコの煙にさらされる環境にあったり、集団保育児に多いとされています。

鼻やのどについた細菌やウイルスが中耳に入り込んで感染して起こります。

咳や鼻水などの風邪症状に伴って生じることが多く、時には発熱もみられます。耳の痛みや耳の膿(うみ)、不機嫌などの症状で気づくことが多いですが、時にはまったく症状もなく、健康診断などでたまたま見つかることもあります。

1歳までの子どもなら38.5℃以上、3歳から1歳前の子どもで39℃以上の発熱があれば血液検査を行います。

通常、軽症の中耳炎であれば3日間は抗菌薬を使用しません。3日たっても症状が改善しなかったり悪化する場合は5日間抗菌薬を使用します。それでも効果がみられない場合は、鼓膜切開などの治療が必要となることもあります。

耳が痛いときや発熱で苦しいときは、アセトアミノフェンやイブプロフェンという薬で一時的に症状をとります。

年間4回以上、あるいは過去6カ月に3回以上の急性中耳炎を起こすときは反復性中耳炎と考えられ、鼓膜を切開してチューブを挿入して換気を図るなどの治療が必要になります。

中耳炎が悪化し、耳の後ろの乳様突起という場所に感染が波及している場合は、外科的な治療が必要となります。

痛みなどの症状が取れても鼓膜の状態はまだよくないことがあります。定期的な通院が必要です。

普段の生活で気をつけてほしいこと
  • 熱があるときは入浴をやめましょう。