ADHD(注意欠如・多動性障害)は、忘れ物が多い、飽きっぽい、じっとしていられない、衝動的に行動するといった行動面の特徴をもつ発達障害の一つです。知能の遅れは伴いません。

脅迫性障害などのために受診し、そこで背後にADHDがあると診断されることもあります。

男の子に多く、20人に1人くらいいるといわれており、珍しい病気ではありません。

行動の問題を抱えていると、どうしても叱られたり注意されたりすることが多くなり、自分に自信がもてなくなることが将来にわたって大きな問題になります。

てんかんの合併など他の病気がないか脳波検査やMRI検査などを行います。また行動上の特徴を把握するために知能検査や発達検査を行うこともあります。

治療には、一般に、薬が用いられます。70%程度は有効と考えられています。副作用や飲み方、効果が出るまでの期間などについて主治医に十分説明を受けましょう。

薬を服用している場合は、副作用のチェックなどをするために、定期的に受診する必要があります。

周囲の適切な対応によって症状が改善するケースも多くあります。一般的に問題になるような行動は、注意したり叱ったりすれば一時的に止めることができますが、必ずまた同じような行動をとります。注意したり叱ったりするだけでなく、ほめることも大切です。そういう行動をしなければほめてもらえると子どもに感じてもらえるような対応が基本です。

社会生活訓練などを専門的に行う場所がないかなど情報を集めましょう。