夜寝ている間に無意識に排尿する状態が6~7歳を過ぎても続くことを夜尿症といいます。

基本的には尿量や膀胱の働きをコントロールする機能が未熟であるために起こります。

ダムを膀胱、川からダムに流れ込む水を尿にたとえると、流れ込む水が多い、ダムが小さい、上流に雨がたくさん降った、ダムの排水口が低い位置にある、といったことが原因でダムから水があふれ出ます。治療は、水があふれそうになるのを早めに察知して排水したり、薬で川の流れを少なくしたり、ダムを大きくしたり、あるいは排水口の位置を高くするする薬を用いたりして水があふれにくくします。こうした治療をしながら、体の働きが成熟するのを待ちます。したがって治療には、6カ月から2年程度かかります。あせらないことが大切です。

具体的な治療としては、薬物療法のほかに、アラームで目を覚まさせるアラーム療法、水分摂取のコントロールや排尿訓練、規則正しい生活リズムの確立といった生活指導などが行われます。

薬の副作用による肝機能障害や腎機能障害が出ていないか、3カ月ごとに血液検査を行います。

いろいろな治療を行っても改善がみられない場合には、他の病気が隠れていないか、膀胱の大きさを測定したり、尿路の異常がないかなどを検査します。

普段の生活で気をつけてほしいこと
  • 薬を忘れずに飲んだり、アラームでちゃんと目を覚ましたりしたときには、しっかりと褒めましょう。
  • 眠りが深くてアラームが鳴っても目をさまないときには、家族が起こしましょう。
  • 夜尿をしても叱らないようにしましょう。