A群レンサ球菌感染症は、小児によく見られる感染症で、咽頭炎や扁桃炎などを引き起こします。

主な症状は、突然の発熱とのどの痛み、頭痛などです。身体に発疹が現れたり、吐き気や腹痛を伴うこともあります。とびひが生じることもあります。

冬季や春から夏にかけて、学校や幼稚園、保育園などでしばしば流行します。家庭内でも感染がみられることもあります。

細菌培養検査や迅速抗原検査を行い、A群レンサ球菌を確認して、診断が確定されます。

まれに、リウマチ熱や急性糸球体腎炎、IgA血管炎などの合併症を招くことがあります。

治療は、抗菌薬を服用します。

咽頭炎や扁桃炎の場合は、ペニシリン系抗菌薬を10日間服用するのが標準治療です。治療を終了後早期に、発熱やのどの痛みなどの症状が現れたときは、再燃や再感染の可能性があるので、再検査してください。

治療を行っても発熱が続く場合や、身体のむくみや尿量の減少、動悸・不整脈、関節の痛み、皮膚に発疹や斑点などがみられた場合には、早めに受診してください。合併症が認められた場合には、入院が必要となることがあります。

A群レンサ球菌感染症は、適切な抗菌薬が投与され、解熱し抗菌薬を服用し始めてから24時間以上経過して全身状態が回復していれば、学校や幼稚園などに行っても構いません。ただし、症状が治まっても抗菌薬の服用は最後まで続けましょう。服用を途中でやめると、症状が再び現れやすくなります。